自然

一瞬で海底が凍る「死のつらら」現象:ブライニクルについて

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海には面白い現象がたくさんありますが、今回は一瞬にして海底が凍りだす「ブライニクル(brinicle)」という現象の紹介です。

触れるものを凍らせてしまうことから「死のつらら」などと呼ばれています。

まずは、その動画を見てみましょう。(恐ろしい映像は1分10秒~です)

白い氷柱が渦を巻きながらゆっくりと降りていき、やがて海底に辿り着くと、ウニやヒトデなどの海の生物を一瞬にして凍らせていく映像が見られます。

この現象自体は1960年代頃から確認されていたのですが、2009年にイギリスのテレビ番組である「BBC」が撮影に初成功しています。

海水が凍りながらゆっくりと降下していく様子は、すごい神秘的ですね。

 

さて、この現象はどのようにして発生しているのでしょうか。

wikipediaでは次のように説明しています。

海水が凍結する際に濃い塩水が生み出され、極めて低温かつ濃度の高い塩水の降下流が発生する。この塩水は周囲の水より低い融点を持つ。この降下流が周囲の海水と接触すると、その低温により即座に周囲に氷が形成される。このようにして作り出される空洞の氷柱がブライニクルである。

 

ちょっとわかりにくいので、かみ砕いて説明するとこんな感じになるかと思います。

step1:気温が下がって無風状態になると海の表面が凍る「海氷現象」が起きる

step2:「海氷現象」は海の水分だけが凍るため、周辺の海水の塩分濃度が高まる

step3:塩分濃度が高くなると融点が低くなるため、海水の温度が下がる(-20度くらいまで下がります)

step4:また、塩分濃度が高いと比重が重くなって沈むため、降下流が発生する

step5:海水の温度が低い降下流は、周辺の海水を凍らせていく(塩分濃度が低いため融点が高いため凍る)

step6:海底に到着しても比重が重いため海底に溜まり、海底の海水を凍らせていく

 

この現象は南極で発生しており、撮影班はマイナス2度の極寒の海の中で、5,6時間じっと耐えながら撮影したそうです。

こんな神秘的な映像を見ることができるなんて、撮影クルーに感謝です。

 

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